英国風アトリエ

本質から英国らしさを追求した体感アトリエ

英国の家に遊びに来てもらったようなワンルーム空間

ビフォー写真

きっかけ

知人から築50年のマンションを全面改装してワンルーム賃貸をするという話を聞いて、そのワンルームを自由に改装していいという了承のもとそのワンルームを借りることにしました。

ちょうと「英国の間取り」を出版した後であったため、英国の空間を表現した場を小さくても設けたいと考えていました。

6畳と5畳の部屋がふすま続きの11畳くらいの空間でした。

2.5帖のキッチンとユニットバスが奥にあります。

実際訪問した玄関入ったらそのままリビングという小さなテラスハウスがモデル。そこのおばあちゃんの一人暮らしの家がとても心地よかった事を思い出し、そんな雰囲気を出したいなと思いました。

私が味わった心地よい英国空間を味わっていただければと思います。


工事写真

時代設定

ビクトリアン後期

  • 壁・天井:塗装
  • 床:ウィルトンカーペット
  • 扉:4パネリングの塗装扉
  • カーテン:モリス

英国の住宅の内装は今も昔も塗装が多いです。

壁紙を貼ることももちろんありますが、一部や、1部屋だったりといった印象です。

そして基本的には自分たちで塗っています。

 

私も自分で塗装。壁紙では出ない塗装ならではの色を感じてほしい。英国メーカーの塗装で英国らしいスモーキートーンの色合いはどこか落ち着きます。


イギリスのウィルトシャーで生まれたウィルトンカーペット。ウール100%で織られており、天然の断熱性が優れており冬は暖かく夏はさらっと心地よい。Kカーペットは暑いのでは?と言われますが夏も冬もウールを纏っている羊は快適そうです。調湿効果と断熱効果があるためです。

産業革命後多くの家に登場したウィルトンカーペットの文化は明治に日本にも伝わり、大阪の南に今も残ります。当時60社だった工場も今は3社。その中の村上敷物ではウィルトンの良さを伝えており今回は色染から拘って作ってもらった。カーペットの密度は日本人に心地良い畳の硬さとし、カーペットを全面に敷いても歩行もし安く寝転んでも心地良い絶妙さを生み出しています。是非踏みに来てほしいです。


扉も基本は木製で塗装が多い英国。その時代によってデザインに流行りがあり、建物の年代に合った扉が付いている事が多いです。

今回はビクトリアン時代の設定にしているのでその時代の流行り4パネリング(4つの框)が付いた扉を選定しています。

取手も英国物です。

本棚扉

1か所秘密の扉を作りたくて本棚に見えるフェイク扉を使っています。

扉の背表紙を精巧に立体感のある形で作られたパネルの集合体でできており、扉のサイズに合わせて本のパネルを組み合わせを考えてくれます。

英国に作っているメーカーで実際には住宅では使われておらず、マナーハウスなどお屋敷の図書館の扉に使われています。

そういう意味ではワンルームの一部屋の入口に使うのは英国式ではないのですが、秘密の扉のようでとても楽しいです。

私は収納の入口に使っています。

是非本物を見てみて下さい。


窓廻り

前提として英国の窓は上下窓が多く、日本の窓は引き違い窓が多いです。見た目が違うので窓廻りで英国らしさを表現するのは難しいです。

英国らしくする一つ方法として奥行をだすことにあります。

石やレンガ造りの英国では壁に厚みがあり窓と壁の間に奥行があります。そこがベンチシートになっていたり、内側の鎧戸がついていたりします。その雰囲気を少し造作することで窓廻りの印象が変わります。

奥行ができるとカーテンなどのファブリックにも立体感ができ存在感が増します。


カーテン

英国の少し良いホテルやお屋敷に使われているカーテンはハンドメイドカーテンがほとんどです。ハンドメイドカーテンとは生地とインターライニング(中綿)と裏生地の3層構造に縫い合わされた手縫いのカーテンの事です。

そのライニングカーテンの仕上がりはカーテンのラインがふっくら優しく立体感があります。

洋書で出てくるカーテン生地を使ってそのまま吊っても洋書のような雰囲気にならないのはそのためです。

アトリエではドレープカーテンをライニングカーテンにしておりますので本場のライニングカーテンを見てほしいです。

日本にもその技術を英国で学んできた方がいらっしゃいますので実現は可能です。

生地はこの部屋の設定であるヴィクトリアン後期に流行するウィリアムモリスを使っています。正確にはメイモリスのデザインですが色と優しい植物柄が好きで選んだものです。


暖炉

暖炉と言っても賃貸マンションで暖炉は設けられませんのでフェイクです。

英国らしさを出すのに欠かせないのが暖炉の存在です。

英国住宅の中心には昔から常に暖炉の存在がありました。

住宅では実務的な役割だったため演出のためではありませが権力者の住宅では部屋の中心にある暖炉スペースは威厳を表現するための場でもありました。

現在は英国でも「暖炉」という役割は持たなくてもフェイクでも暖炉スペースは欲しいというアイデンティティは健在です。

フェイクをいかに本物らしく見せるかがポイントです。暖炉スペースの延長線上に煙突があると想像できる仕様にするのがポイントです。

私のアトリエでも狭いですが暖炉スペースとマントルピースを付けました。

中には電気暖炉ストーブを置いています。

このようなスぺースが部屋の中止にあるだけでも英国らしさもそうですがお部屋がまとまります。